PBRのざっくりしたイメージを掴む
私は、PERやPBRなどを理解するのに、
株価収益率とか、株価純資産倍率といってもピンときませんでした。
低い方が良いとか、そんな風にしか理解していませんでした。
PERやPBRは割安か割高かを判断するには、良い物差しだと思います。
PERやPBRを理解するには、厳密にいうと違うところはあるかもしれませんが、
ざっくりしたイメージで掴む方が良いように思っています。
PBRのざっくりしたイメージ例
- シーン1 100万円の現金を元手にPIN株式会社をつくります。
今の状態をあらわすと下記のようになります。
(現金)100万円(元手)100万円
※200万円あるわけではありません。
※右側は元手、左側が元手の使い道を示しています。
※会社はその元手をもとに事業をしますので左側の現金が形を変え、
商品などに変わります。
- シーン2 20万円儲かった場合は、20万円利益が蓄積され元手が増えます。
(現金)120万円(元手)120万円
※右側の元手は始めに出したお金以外に儲かった利益の蓄積が入っています。
※左側はその使い道を表します。右側と左側の金額は必ず一致する必要があります。
- シーン3 120万円の土地を買った場合。
(土地)120万円(元手)120万円
- シーン4 40万円土地が評価損となった場合。
(土地)80万円 (元手)80万円
- シーン5 時代が進んで土地の評価が100万円になり再度売却した場合。
(現金)100万円(元手) 100万円
現時点のPIN株式会社は株を総株数で1株を発行しているものとします。
その株はいくらで買えば良いでしょうか?
※現金100万円持っている会社をいくらで買うのが妥当か考えればよいです。
現金が100万あるわけなので100万円以下で買うのが妥当です。
株価と元手(純資産)の金額が一致している状態がPBR1倍と考えてください。
式は株価÷元手
仮にPIN株式会社の株を50万円で売ってあげると言われたら、
50万円÷100万円なのでPBRは0.5倍です。
※PBRが0.5倍は元手の半値が株価なので割安と言えると思います。
PBRは1倍未満であれば割安と言われますが、
割安かどうかは元手の使い道が重要になります。
- シーン6 販売目的で商品を買う
(商品)100万円 (元手)100万円
投資家AがPIN株式会社は売れそうな商品を仕入れたみたいだからという理由で
株価110万円で買うとします。
PBRは1.1倍です。株価110万円÷元手100万円
商品は2割のせた120万円で全て売れました。
(現金)120万円(元手)120万円
元手が120万円となったので投資家Aの投資は成功になります。
逆に、商品が鳴かず飛ばすの不人気商品で売れないとします。
その場合下記の状況ですが、
(商品)100万円 (元手)100万円
実際は、半値で叩き売って売れるものだとします。
実際の商品価値にすると下記の状況です。
(商品)50万円(元手)100万円
(損) 50万円
それで叩き売って現金回収した場合、下記のようになります。
(現金)50万円(元手)50万円
※もし1株110万円で買っていたなら大損します。
PBRのまとめ
- PBRは株価÷純資産
※純資産は最初の出資(元手)と利益の蓄積を含む。
- PBRが1倍未満なら割安
※但し、元手の使い道がきちんとしていることが前提。
※不良在庫などが残っているようであれば割安とは言えない。
※株価が1倍以上でも、将来利益を蓄積できるなら購入するべき。
会社四季報で確認する
実際の会社は、1株ではなく何万株と株を発行されています。
市場で取引されている株価は1株単位の株価です。
それを100株セットで買っているような感じです。
1株あたりの元手(純資産)を調べる場合は、
会社四季報の業績欄の右側あたりの1株純資産で確認できます。
1株純資産はBPSとも言います。
プロトコーポレーション(4298)の例でいくと
平成29年9月29日時点の株価は2,027円。
一株純資産は1,324円。
PBRは1.54倍です。2,027円÷1,324円。
株価は元手より高く取引されていますが、
多くの投資家は将来利益を蓄積してくれると期待していると考えられます。
近年では2016.3以外は利益を蓄積しています。
今年の一株利益の予想は148.6円。
そこから配当を行います。昨年実績の50円で実施するとします。
残りの98.6円は会社に蓄積した場合は、
一株純資産は1,324円+98.6円=1,422.6円になります。
事業が順調に進めば利益が蓄積され、純資産は増え、
株価が上昇していく流れになっていくと予想されます。
そんな感じでPBRをイメージすれば、
割安か割高かの物差しにはなると思います。